初心者~上級者まで!星空撮影におすすめのカメラ【ニコン編】
多くのカメラメーカーの中でもニコンは光学技術にとても強く、その信頼性から長年に渡って愛されてきました。
昔から愛用者の多い一眼レフはもちろんのこと、現在ではミラーレスの分野でも大きな存在感を示しています。
特に風景写真・星空写真では、自然な発色が出来て黒色に強いと言われるニコンのカメラが向いていると言えるのではないでしょうか。
今回はそんなニコンから発売されているカメラで、特に星空の撮影におすすめのカメラを紹介していきたいと思います!
初心者におすすめ!初めて星を撮るならこのカメラ
星を撮りたいと思い立って初めてカメラを買おうと考えても、最初から高額な機材を揃えるのは少し怖いですよね。
そこで初心者向けにコストパフォーマンスを重視しながらも、十分に星空を撮影する実力を秘めたカメラを紹介していきます。
D5600
D5600は2016年に発売された一眼レフカメラです。
発売からかなり経っているものの、ニコンの一眼レフのエントリー機である5000シリーズとしては最新の機種であり、今でも根強い人気があります。
ダブルズームキットの汎用性がかなり高く、星の撮影にももちろん使えますし、望遠側で撮影すれば動物園や水族館、花や野鳥などの撮影もほとんどカバーすることが出来るので、初めの一台にかなりおすすめです!
特に星の撮影では観測地まで機材を持ったまま歩かなければいけないこともあるのですが、D5600は本体重量が465gと一眼レフの中ではかなり軽量であり、持ち運びがしやすいこともポイントです。
また、同様にニコンのエントリー機としてD3500というカメラがあるのですが、D5600よりも更に軽量で安価である代わりに、画像モニターが固定式であるという違いがあります。
星を撮影するときにはカメラを上に向けますので、モニターが動かなければ撮影した写真を確認する際にのぞき込まなければなりません。
その点D5600はモニターの角度を自由に変えることが出来るので、星の撮影ではD5600の方が向いていると言えるでしょう。
Z50・Zfc
Z50は2019年に発売されたエントリーモデルのミラーレス一眼であり、ZfcはそのZ50をベースにして2021年に発売されました。
つまりスペック上はかなり似通ったカメラであるので、同時に紹介していきます。
大きな違いはデザインであり、Z50はグリップがあり構えやすいデザインで、モニターが縦方向にだけ角度を変えられるチルト式になっているのに対して、Zfcは昔のフィルムカメラを彷彿とさせるようなクラシカルなデザインで、モニターは縦横自由に変えられるバリアングル式になっています。
他にも細かな違いはありますが、この2つから選ぶ場合はデザインが好みな方でいいのではないかと思います。
何と言ってもこのZシリーズの特徴は、レンズを装着するマウントが、キャノンやソニーのカメラと比較しても圧倒的に大きいことにあります。
マウントとはレンズとカメラ本体を接続する穴の部分のことなのですが、基本的にこのマウントが大きければそれだけ高画質で明るいレンズを装着することが出来るのです。
ノイズを発生させないように星を撮影するにはこのレンズの明るさがとても重要なので、Z50・Zfcは共に星の撮影に向いているカメラと言えるでしょう。
初心者からステップアップ!中級者からはフルサイズもおすすめ
星の撮影にも慣れてくると、もう少し性能を上げたカメラに買い替えたいと思ったり、星を定点撮影している間に、もう一台カメラがあると嬉しいと思うこともありますよね。
しかしカメラ本体にお金を回しすぎると、レンズにこだわる余裕がなくなると感じる人はも多いと思います。
そこで中級者向けとして、フルサイズで高い性能がありながらも、なるべく価格を抑えたカメラを紹介していきます。
D780
D780は2020年に発売されたミドルクラスのフルサイズ一眼レフカメラです。
最近ではミラーレス一眼が主流となっては来ましたが、ニコンは一眼レフで業界を牽引してきたメーカーです。
そのニコンからミラーレスの良さを組み入れた次世代の一眼レフとして発売されたのがこのD780です。
どんな状況にも使えるオールラウンドなカメラなのですが、特に高感度耐性に強みがあり、暗所での撮影を得意としています。
常用ISO感度は100~51200となっていますが、6400くらいまででの撮影であればあまりノイズが気にならない程です!
また、低消費電力設計により1回の充電で最大2,260コマの撮影が可能であり、充電をあまり気にせずに撮影に没頭できるのも魅力の一つです。
ノイズを抑えながら明るく撮影でき、インターバル撮影でも充電切れの心配が少ないとなれば、星の撮影にはうってつけのカメラと言えるのではないでしょうか。
Z6Ⅱ
Z6Ⅱは、2020年にZ6の後継機として発売されたフルサイズミラーレス一眼カメラです。
ちなみにZ6もミドルクラスのミラーレスカメラとして高い性能を持っておりますので、詳しくはこちらの記事をご覧いただければと思います。
Z6ⅡもZ50やZfcと同様にZマウントでレンズを装着できるうえに、センサーサイズもフルサイズになっています。
Zマウントでは高画質で明るいレンズを装着できることはご説明しましたが、そのうえセンサーがフルサイズであれば、さらに多くの光を取り込むことが出来ます。
このZマウント×フルサイズという組み合わせは、特に暗所での撮影には本当に大きな力を発揮しますので、星空の撮影にももちろんおすすめです。
ただし、ミラーレスは消費電力が高く、一眼レフと比較するとバッテリーの持ちはよくありませんので、長時間撮影を行う際には予備のバッテリーを持っておくといいでしょう。
撮るなら最高品質で!妥協したくない上級者向けカメラ
D810A
D810Aは、2015年に発売された天体撮影専用の一眼レフカメラです。
なぜ天体撮影専用なのかというと、そもそも星雲はHα線という肉眼では赤く見える波長で光っており、このD810Aは通常のカメラの4倍ほどまでHα線の透過率を引き上げているので、星雲の光を赤く鮮やかに写し出すことが出来るからです。
逆に言うと、赤外域に近い光源の近くで星以外の被写体をこのカメラで撮影してしまうと、肉眼で見るよりも赤みがかって写ってしまいます。
つまりは本当に天体撮影に特化したカメラであり、他の被写体を撮影するにはおすすめできないカメラなのです。
天体以外の撮影もしたいのであれば別のカメラを準備する必要があるので、用途によってカメラのボディを使い分けるような上級者の方にしかおすすめはできないかもしれません。
しかし、天体撮影という分野では唯一無二の性能を誇っていますので、天体写真の愛好家にとっては買って損がないカメラと言えるのではないでしょうか。
Z7Ⅱ
Z7Ⅱは、2020年にZ7の後継機として発売されたフルサイズミラーレス一眼です。
中級者向けにおすすめしたZ6Ⅱとほぼ同時期に発売されたカメラで、この2機種の最も大きな違いが有効画素数です。
Z6Ⅱの有効画素数が2450万であるのに対し、Z7Ⅱは4575万画素と、2000万画素以上の違いがあるのです。
勘違いがないよう付け加えますと、2450万画素が消して少ないわけではなく、十分に高画質な撮影を行うことが出来ます。
しかし高画素モデルではより繊細な表現ができることはもちろんのこと、画像をクロップして拡大した時にもぼやけることなく、くっきりとした高画質を維持することが出来るのです。
また、今までの常識として高画素モデルは高感度耐性が低いと言われてきましたが、ZシリーズであるZ7Ⅱは、明るさを確保しやすいZマウントでレンズを装着できるため、普段使いにも天体撮影にもおすすめできるハイブリッドなカメラとなっています。
特に星雲や銀河などの写真に挑戦するのであれば、拡大しても画質を十分に保つことができる高画素モデルは魅力的なカメラと言えるでしょう。
まとめ
今回ご紹介したカメラであれば、どのカメラであっても満天の星空をきれいに撮影することが出来ます。
価格を考慮して初心者~上級者向けでご紹介しましたが、良いと思ったカメラを使うことでモチベーションも上がりますので、いきなり上級者向けのカメラを購入するのも、もちろん問題ありません。
私もニコンのカメラを長年愛用していますが、本当におすすめできるカメラばかりですので、天体撮影に興味がありましたら是非検討してみてはいかがでしょうか。